2013年7月26日金曜日

祖国から追放されたカーネル・サンダースとアイコンとしての宮崎駿

ネットには全く流れていないようですが、昨日の東京新聞に驚くべき情報が掲載されていました。

『カーネル 祖国追放』と題されたその記事によれば、ケンタッキー・フライド・チキンでお馴染みのカーネルおじさんことカーネル・サンダースが、なんと米KFCの新店舗から続々と追放されているというのです。

驚くべきことですね。驚いていない人は驚かないといけないということです。

カーネル・サンダースと言えばアメリカ合衆国のアイコンとも言うべき存在です。
この「暗く血まみれの大地」という名に因むケンタッキー州の名誉大佐サンダースは、ガソリンスタンド経営からフライドチキンレストランへと手を拡げるもモータリゼーションに翻弄され、65歳にして無一文になりました。
しかし、その後、南部の正装であるあの白いスーツに身を包みケンタッキーフライドチキンのフランチャイズ化に成功。
まさに、ファーストフードの象徴でありアメリカの20世紀を体現した人物といっていいでしょう。

そのサンダースが米国であたかも大佐の名誉を剥ぎ取られるかのごとく、姿を消されているというのです。
あの、道頓堀川に沈められても20年以上の時を経て浮かんできたサンダース大佐がですよ。

理由は、KFCのヘルシー指向だということです。
現在、KFCは「KFCイレブン」というヘルシー志向の店舗を展開しているようで、そのイメージに恰幅の良いカーネル・サンダースは合わないと判断され、大佐は用済みになってしまったということです。

これはアメリカ合衆国が今、重大な転換期にある一つの証左と捉えるべき事件です。

ところで現在、日本では宮崎駿監督による5年ぶりの新作、『風立ちぬ』が大変話題になっています。
宮崎監督の集大成的作品のようですが、ゼロ戦の開発者の話ということで誤解を恐れたのか、公開直前にジブリの機関誌『熱風』で安倍政権が目論む改憲の愚を訴え、賛否両論を巻き起こしました。

一方でここ最近、クールジャパンなどと称されるコンテンツ政策が持て囃されていますが、宮崎監督自身はそのような国家主導による対外文化宣伝や輸出政策に貢献する気は全くないでしょう。
しかし、日本発の世界に通用するコンテンツとしては、ジブリ、宮崎駿が筆頭に挙げられることは言うまでもありません。

そうであれば、将来宮崎監督が亡くなったとき、クールジャパンのアイコンとして監督が祭り上げられる可能性は少なくありません。
つまり、かつてのクールアメリカの象徴がカーネル・サンダースだとすれば、クールジャパンの象徴はディレクター・ハヤオなのです。

ディレクター・ハヤオの人形がジャパニメーション専門の映画館、あるいはボーカロイド専門のライブハウスに設置される日が来るのかもしれません。

それを目指してこそのクールジャパンなのです。

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